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東京 美味しい日本料理店[日本の四季を感じに 月に一度は赴きたい。 究極のシンプル和食]

「赤坂 詠月」の岩﨑秀範氏がバトンを託したのは、岩﨑氏と同じく食材愛が深い日本料理店「新ばし 笹田」の笹田秀信氏。季節ごとに訪れたくなる魅力とは何か、紐解いていこう。(撮影・取材2017.5)


そもそも日本料理の基本は素材の味を生かすことだが、笹田さんの食材への探求心は熱い。「毎年同じ料理を出すけれど、食材によって一つひとつの完成度を高めていきたい。新しいものを取り入れるのではなく、さらに深く知りたい」と笹田さん。料理作りにおいて何よりも食材を選ぶのが楽しみで、仕入れをする築地では、目利きが確かな市場の人はもちろん、料理人同士での食材トークに花を咲かせているのだそう。

今回の鱧にしてもそうだ。毎年5月から8月にかけて提供しているが、九州のものから淡路のものへと、最高の脂の状態とともに徐々に産地を変えていっている。実際、予約を取るときに「良い鱧ある?」「今年の白子筍はまだ?」など、食材を名指しするお客さんもいるほどだ。さらに、仕入れ先の魚屋がほかの魚屋を引き連れて売ったものをわざわざ食べに来るというエピソードからも食材の扱いが格段だと重々わかる。笹田さん本人が自分のことを「食材おたく」というのも納得。

四季ごとに赴きたい、そう思えるニッポンの味に出会える一軒だ。


夏を感じられる3品を一皿で。「鱧の山椒焼き」は皮目までしっかり焼かれた鱧の香ばしさと脂の旨味にピリリとした山椒がクセになる一品。塩でいただく「衣被(石川小芋)」は素材そのものの味が濃く、トロリとした食感を楽しめる。最後に「セロリの土佐酢漬け」。鰹と昆布のダシにまろやかな酢が合わさり、シャキシャキとした食感のセロリとの相性も抜群。


 

2008年のミシュラン初年度から星を獲得している日本料理店「新ばし 笹田」。店主の笹田さんの原点は、数多くの逸材を輩出してきた名門の日本料理店「京味」にある。「派手なものではなく、ふと思い出した時に食べたくなるようなほっとする味を出したい」と、独立してからもその変わらぬ姿勢を貫き通している。


新ばし 笹田

03-3507-5501

港区西新橋1-23-7 プレシャスコート虎ノ門1F

18:00~入店21:00まで

定休日:日曜・祝日

 


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